
英外務省、アフガニスタン学生への奨学金を停止 「道徳的に間違い」と批判も
イギリスの外務省が提供する奨学金制度が、9月の新年度から対象となるアフガニスタン人学生への支給を取りやめると発表した。
チーヴニング奨学金は、イギリスの大学院で学ぶ海外留学生が対象。英外務省が全額出資する奨学金制度で、権威も競争率も非常に高い。
しかし英外務省は、アフガニスタン情勢を受け、在アフガン英国大使館が来年度に向けた準備を終えられないと判断し、支給を中止した。9月からの新年度に向けてこの奨学金を獲得していた学生たちはは、首都カブールにある英国大使館が書類手続きを終えられない見込みだと告げられた。
この決定については、与党・保守党の閣僚経験者などから批判が出ている。
奨学金とイギリスで学ぶ査証(ビザ)を受け取るはずだった学生の1人、ナイマトゥラ・ザファリさんはBBCに対して、英大使館のスタッフと面談した際、学生たちは叫び、涙を流し、「ビザをください」と懇願していたと話した。中にはパニック状態に陥った学生もいたという。
「眠れない。今こそ(奨学金とビザが)必要なのに、それを取り上げるなんて」
カブールで国連職員として働くザファリさんは、英サセックス大学に留学し、行政・開発学を学ぶ予定だった。
ザファリさんによると、イギリスに留学できなくなった学生は35人で、その半数近くが女性だという。35人中30人がアフガニスタンでの仕事をすでに辞職している。女性の多くは、タリバンが勢力を拡大すれば、自分たちの学習機会は奪われてしまうと懸念している。チーヴニング奨学生がタリバンの標的になる危険もあると、ザファリさんは言う。
アフガニスタンでは、米軍を中心とした外国駐留軍が20年の軍事作戦を経て撤退したことを受け、反政府組織タリバンが一気に勢力範囲を拡大。現在は国の大半を手中に収め、首都カブールへと迫りつつある。
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外務省の決定について、保守党のデイヴィッド・リディングトン議員はツイッターで、「道徳的に間違っているし、イギリスの利益にも反する」ようだと指摘した。
「チーヴニング奨学金を得たアフガニスタンの学生はもちろん、特にタリバンからのリスクが大きく、イギリス政府がイギリスに招きたい『最優秀』の学生たちのはずだ」
リディングトン議員はその上で、ボリス・ジョンソン英首相とドミニク・ラーブ英外相が「早急に」この事態を検討してくれることを願うと述べた。
国際開発相を務めた経験のあるローリー・スチュワート議員も、「(アフガニスタン学生の)ビザ(査証)が発行されなかったこと」に「非常に失望している」と語った。
外務省の報道官は、来年度の奨学金を得た学生は全員、再来年度からプログラムを開始することができると述べている。


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