天安門事件から35年、何も変わらぬ中国
なぜ、権威主義が跋扈するのか、個人的には2つの大きな理由があると思います。1つは国内経済が十分にテイクオフしておらず、国民の高い貧困/格差レベルないし、将来不安を抱える層が多い国に権威主義を支持しやすい方向性があること、もう1つはアメリカの衰退です。人は苦しくなると何かにすがりたくなる、これが性であります。宗教はその典型ですが、現代生活において様々な不安がある場合、強い国家権力に巻かれるほうが楽だと考える民が多いのは否定できないと思います。例えば日本で民主党政権の際に震災もあり、非常に大きな混乱に陥ったのち、安倍氏が首相として力を発揮したのは強いリーダーシップを国民が渇望した点を否定できないでしょう。これを世界レベルでみると経済的基盤のみならず社会制度や国民教育が十分に行き届かない中でスマホやコンピューター技術など先端の技術や情報だけが先行して国家に浸透するとマインドギャップが生じます。初めは良いのですが、そのうちそのギャップが埋められず、更に不安感が増長される、これが私の思う権威主義が普及しやすい理由です。
また民主主義の象徴であるアメリカの社会制度と思想の衰退ぶりが勢いを増す権威主義との好対比となっているとみています。アメリカでは1%対99%という格差問題や「成功者は修士課程を取るのが当たり前」という激しい競争社会を生み出します。エリートたちはオピオイドを服用し、自分をごまかしてまで勝ち抜き競争に挑みます。一方、大学に行けなかった人たちはトランプ氏の出現に自分たちの代弁者のごとく支持が集まります。私はふと思うことがあるのです。トランプ氏は一種の権威主義的思想ではないか、と。その点では日本やカナダは私が知る限りではアメリカ以上の民主主義国家だと思います。我々が中国を批判するのは自分たちの自由と充実した社会制度と一定の教育、更には職にありつき、老後もそれなりにケアされる仕組みがある故なのでしょう。「なぜ中国は権威主義に走るのか」といっても理解しにくいことは確かです。中国には私有はなく、年金制度など老後保障も十分ではありません。かといって富裕層のように外国に移住する手段を持たない限り、民は国家と対峙するか、服従し、すがる以外方法はありません。
国家と対峙すればどうなるか、それは天安門事件のみならず、文化大革命の頃から何一つ変わらない弾圧が待っているのであります。コロナの時に中国で「白紙運動」が起きてコロナ封鎖に対する民の大きな声が上がりました。その後どうなったかといえば運動の主導者たちには厳しい弾圧が待っていたのです。民主主義については様々な書籍や研究文献が出ています。目立つのは今の民主主義は持続可能か、というものです。民主主義を維持する国家は政治的理由により民の言い分を聞き入れる傾向が強くなります。しかし聞き入れるほど国家はより泥沼にはまっていくのもまた事実です。メキシコで女性大統領が圧倒的支持で誕生しましたが、為替も株も大暴落しました。理由は中道左派政権がバラマキを継続するだろうという失望感です。何も変わらぬ中国をかえるには民主主義陣営がより魅力的な社会を創出するしかありません。その中でアメリカが行き詰まるなら日本が民主主義、権威主義に続く第三の主義で民の幸福と生きがいと成長を提示する国家として手本を示すことはあり得ると思います。日本はかつてジパング(=欧州から見て東方の国)とされました。今こそ、現代社会のジパングとして再び光り輝かせる時なのではないでしょうか?


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