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(連載2)逆効果になる石油備蓄放出

 理由はもっとあがると思いますが、今回もバイデン大統領のよさげな言葉に乗せられたということかと思います。実は私はカナダの石油関連の株式には投資残が結構あります。なのでポジショントークのように思われるかもしれません。しかし、これでピークだと思えば売ればいいだけの話なのですが、私の中でまだ「コツン」と音がしないのです。
 
 昨年の春、原油価格がマイナスをつけた頃、私はアメリカの石油備蓄の状況を何度かお知らせしたと思います。それに対し、備蓄がキャパを超え、原油価格が上昇することはない、と強いトーンのお言葉も多くいただきました。しかし、事実は真逆で1年半かけて7年ぶりの高値を付けたのです。これはコロナが間接的理由で、カーボンニュートラルが本当の理由です。70年代の石油ショックの時、我々はどうしたか覚えていますか?節電し、こまめに電気を消す、自家用車に乗らず、公共交通機関に乗る、トイレットペーパーを使う長さを短くするなど自己防衛を行い、銀座など繁華街の夜は真っ暗になりました。原油価格に対峙するなら世界が協調してこの姿勢を見せる必要があるのです。ですが、中国を除き、どの国のトップも国民に制約を強いるようなことは言いません。ポピュリズムだからです。厳しいことを強いるより政府が支援するのです。母親が子供を甘やかすようなものです。
 
 原油価格は先々、ある程度の均衡状態になるかもしれません。理由は今回の備蓄放出が国家単位の「在庫」に対して非常に少なく、あくまでも政治的インパクトに留まっているからです。仮に80㌦を再び大きく超えるような事態になれば第2弾、第3弾の備蓄放出プランが出てくるため市場はそれを読み込もうとします。しかし、世界ベースでは一日1億バレルの原油が必要です。備蓄を全部吐き出せないことを考えれば今後さらなる備蓄放出があったとしてもわずかな時間稼ぎにしかならない、というのが私の見方です。
 
 むしろ各国とも今回の備蓄放出のあと、機を見て元に戻す、としています。つまり、また原油を買い戻すのです。これはチキンゲーム(臆病者を決める根競べゲーム)以外の何物でもないと私は考えています。(おわり)
 

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