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(連載2)過熱する「台湾有事」非難合戦の裏にある高市首相の勇み足

 もし日本が、アメリカを飛び越して、台湾を防衛する目的で集団的自衛権の行使を宣言するならば、全く事情が異なることは、言うまでもない。日本にそれをやる覚悟があるか否かを問う前に、アメリカ抜きで台湾防衛作戦を遂行する能力など日本は持っていない、という端的な事実がある。アメリカ抜きで参戦すれば、中国にあっという間に駆逐されるだけである。
 
  トランプ大統領が、アメリカはこの件に関知していない、と発言しているのは、当然である。高市首相が、アメリカの頭越しに、アメリカには台湾防衛の覚悟がある、と明言した形になっているからだ。いったい軍事的にアメリカにも中国にも対抗できない日本の首相に、そのような発言をすることが許されるのか。横須賀の米軍基地でジャンプしたからといって、アメリカがいつ台湾防衛の軍事作戦をすべきかを日本の首相が決めることができるようになるわけではない。高市首相の越権行為のような態度を、大国の指導者たちが感じて、不快感を抱いたとすれば、当然である。
 
 欧州では、人口約136万人という極小国のエストニアの首相から、EU外交安全保障問題上級代表に就任したカヤ・カラス氏が、「ウクライナは勝たなければならない」「われわれはロシアの崩壊を恐れてはならない」といったタカ派発言を繰り返して、トランプ政権の不評を買っている。カラス氏は、過去11カ月にわたり、トランプ政権高官に会うこともできていない。欧州指導者がワシントンDCに行く際には、カラス氏が除外される。日本はエストニアよりも重要なアメリカのパートナーだ、と言えば、もちろんそれはそうだろう。しかしいずれにせよアメリカと中国と比べれば、全く格が違う国だ。高市首相が、独自の判断でアメリカ軍を動かしたりできるわけではない。
 
 高市首相は、トランプ大統領との良好な関係をアピールして、高い内閣支持率を記録するスタートを切ることができた。だが果たして、そこに慢心がなかったか。実際には、トランプ大統領訪日の際に、通例である共同宣言の発出もできず、政策的な調整はできていないのが、実情ではないだろうか。その点に留意した慎重さを欠き、トランプ大統領を巻き込んで、対中強硬姿勢さえ示せば、国内で高い内閣支持率を維持できる、という点にばかりとらわれていると、やがて足をすくわれることになるだろう。(おわり)

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