来年オリンピックのあるフランスで起きるデモの「深淵」
もう一つは「政治的な不安定」である。ではなぜ「先進国」であるはずのフランスが政治的に不安定なのであろうか。実際にフランスは農業国であり、なおかつドイツとスペインの間にあるという地理的な特徴がある。また自分たちを「共和国の初めである」というようなことを考えていながら今でも「第五共和制」と言っているように、未だに帝政または封建性に移行するのかというような可能性も残しているということになる。同時に、フランスはアフリカに対する占領政策などにおいて、様々な問題をそのまま残してしまっている。これらの問題は歴史的にみれば、イギリスやアメリカとは異なり、フランスは「ドイツに占領されてしまった先進国」である。その意味で言えば、「戦争に本当の意味で勝っていない」国であり、ある意味で「韓国的」な「自分たちは何かしてもらって当然」というような感覚を持ってしまっている。そのような「国内外的な矛盾」を多く抱えている部分があるのである。その「国内的な矛盾」が、様々な意味でフランスの文化や政治、そしてこのような公共事業に出てきてしまうのである。
フランスを好きな人には、あまり受け入れてもらえない内容なのかもしれないが、実際にフランスには「目に見えない差別」が存在する。実際に、私の見ている範囲の中では「王政(天皇制を含む)」絶対王政または封建制的な階級が残っている国の方が、共和制の国よりも差別的な問題が少ない。基本的に「国家の制度として平等」ということを言っている国の方が、内心的にまたは目に見えない部分において差別的な内容が存在する。共和制(大統領制)を取ったアメリカには「ブラック・ライブズ・マター」が吹き荒れ、今でも黒人差別問題が存在し、また9・11からイスラム教差別なども存在している。共和制・共産主義であるはずの中国や北朝鮮に差別があり、人権などを認めていないというのは見てのとおりである。フランスに関しても同じで、大まかに分けて「支配階級(政治または企業経営者など」「芸術家」「一般労働者」「イスラム教徒(元奴隷)」というような目に見えない階級がある。建前上または政治システム上はこのような階級差別はないが、「差別があった方が、人々の心の中からは差別が消えてゆく」ということがわからない人が多いと、このような政治になってしまう。この事から、「シャルルエブド襲撃事件」や「フランスにおける主教差別」「フランスにおける黒人差別」というような問題が出てきているのである。
さて、ところがこれらの問題が大きな問題にならなかったのは、単純に「イスラム教徒階級」がデモを起こした場合は、そのデモは多数派にならず、大きなうねりにならない、そのために襲撃事件のような「テロ行為」になってしまい、民衆がそれに同調しないということになるのであるが、一昨年の「イエローベストデモ」のような「労働者階級」のデモになると、これが全国的に広がってしまうので、一気に政変につながるようになるまで出てきてしまう。そのように考えれば、いわゆるフランス革命の一番初め、ルイ十六世とマリーアントワネットが処刑された革命では「一般民衆」がデモを起こしたことによって大きな広がりになったのではないか。そのように考えると、今回のデモはどのようなものになるのか。今回のデモは「少年」というようなところで、「年齢的な差別」が発生していることになる。まさに、そのような「年齢的」な内容でありまたそれがイスラム教徒などであるから「社会の害虫」などと言う差別用語的な発言が出てきてしまうことになる。しかし、このような差別発言が、場合によっては一般民衆に広がる可能性を持っているということになるのではないか。ある意味で「見えない差別」が存在するということが、このような話になりそして「事件のきっかけ」以上に大きな問題が発生するということになってくるのではないか。このデモを治めることができるのか。それ以上に「見えない差別をどのように解消してゆくのか」がフランスに問われている。同時に、日本は「人の振り見て我が振り直せ」をできるのであろうか?


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