中ロ首脳会談で明らかになった「弱くなったロシア」
さて、そのような意味で言えば、今回は「反米」ということで連携を世界に見せたということになる。逆に言えば「それを見せなければならないくらい、両国の関係はあまり良くなかったというのが本音」であり、それは「両首脳の間が崩れていたのではなく、担当者や大臣レベルにおいて、または軍人同士の関係において、関係があまり良くなかった」ということを意味しており、両首脳が結束が固いということを示さなければならない状態にあったということが明らかになってきている。つまり、支援している中国側の態度が大きく、ロシア側と対立に近い状態にまでなっていたということが見えてきているのではないか。その様な「見えない関係」までが見えてくるのが、この首脳会談である。
今回、ロシア側が中国側の政策をほぼ丸呑みしているということは明らかである。この会談終了後、急に武器弾薬の輸出が行われたということを見れば、逆にそれまで武器の輸出(中国からの援助)はある程度滞っていたということが明らかである、まさに軍人がストップしていたということもあるのではないか。逆に言えば、担当者レベルでそこまで中ロ関係は悪化していたということである。同時に、丸のみということは「南シナ海」「東シナ海」「台湾」「尖閣諸島」いずれの係争地でもすべて中国に有利になるようにロシアは動くということを意味している。一方ウクライナに関しては、「誰が考えたか分からないルールを押しつける米欧の試みを拒否する」としながらも「政治的決着を望む」としている。本来政治的決着ではないことをいきなり始めたのはロシア側なのであるがなんとも身勝手な話であるというのが大方の見方である。逆に言えば、それだけ戦況を維持することは難しいし、また、中国も支援に限りがあるということを意味している。すでに中国からロシアへの支援が限界に達しており、そのことから、そろそろある程度のところで妥協をしたいということは明らかではないか。
さて、この会談では中国側からショイグ前国防大臣の出席を拒否されている。つまり、その現場の責任者であるショイグが、中ロ関係悪化のすべての責任を取らされるということを意味していることになる。しっかりと人事で人身御供を作り、その人事を終わらせた後に、中国訪問をしているプーチンの「用意周到」なやり方には、いつもながら驚きを隠せないのであるが、実際に、その会談内容よりも、そちらの方が気になるところではなかったか。逆に、中国側も李尚福国防相を昨年10月に解任しており、そのようなことから、現場の悪化に鑑みて双方が国防大臣を更迭(実際は更迭ではなく、ショイグに至っては、栄転なのだが)して、首脳会談に出席できない状態になっているということも、興味深いのではないか。しかし、この二つの国の関係が、どこかよそよそしく、あまり長続きしないように感じる。これは単なる「私の勘」でしかないが、なんとなくそのように感じるところがあるのは気のせいであろうか。


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