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米国の関与と日中対話重要 能動的外交展開できるか 視標「自民党総裁選」 大阪大特任教授 藪中三十二

 外交・安全保障分野で、自民党総裁選の候補者にまず問いたいのは、日本を取り巻く厳しい安保環境にいかに対処するのか、その基本姿勢だ。日米同盟を強化し、有志国との連携も進めて対処するといった主張が聞かれるが、米国をどこまで頼ることができるのか。

 自民党総裁選の所見発表演説会=12日、東京・永田町の党本部

 

米国の力は相対的に弱まっており、米国世論も国外の問題に関わることに消極的だ。日本や東アジアの平和と安定のために、本当に米国が軍事的に関与するつもりがあるのか。安保環境が厳しいと言うのなら、ここを問わねばならない。

 どうすればいいのか。ポイントは三つある。一つは「米国第一主義」に傾きかねない米国に対して、なぜ関与し続ける必要があるのか、しっかりした論理で説き、強固な日米同盟を内外に示すことだ。両国間の拡大抑止協議の推進や、対日防衛義務の確認は抑止力になる。

 二つ目は、やはり自らの防衛力を強化することだ。岸田政権は2027年度までに防衛費をGDP比2%にすると決めたが、このためには増税が必要となろう。本来、防衛力の強化は数字ありきではないのだから、どういう装備と態勢が必要なのか、中身を徹底的に詰めなければならない。

 三つ目は、日本が東アジアの平和と安定を維持するため、どれだけ能動的な外交が展開できるかだ。中国との関係で言えば、岸田政権では、中国が南・東シナ海で力による現状変更の試みをしていると非難する一方で、中国と建設的で安定的な関係を築くと訴えた。しかしこの間、首脳間の往来はなく、具体的進展は全く見られなかった。

 沖縄県尖閣諸島の魚釣島周辺で航行する中国船=2024年4月

 

 今後、中国とどう向き合うのか、最も議論を深める必要があるのはこの点だ。「自由で開かれたインド太平洋」は対中封じ込めの構想ではない。中国にルールを守らせるためのものだ。

 安倍晋三元首相は17年に習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と会談し、08年の「東シナ海ガス田共同開発合意」を再確認した。これを条約化できれば東シナ海が平和の海になる大きな一歩となる。こうした成果を土台に、日本の安全を確保するための外交をどう展開するかが問われる。

 北朝鮮の非核化を日本が主体的に進めていくことも重要だ。(談)

(新聞用に12日配信)

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