イラン戦争にBRICSがかかわっていないように見えるが中国は和平に向けて動い
イランに対して、BRICSは積極的な支援をしていないように見える。また、国際的な問題に関して、足並みを揃えて行動していないように見える。しかし、それは当然のことだ。BRICSはもともとゴールドマンサックスが「21世紀において経済成長著しい国々」の総称として発表した言葉であって、それらの国々が自発的に集まったものではない。2009年になって初めて5カ国の首脳会談が開催された。その歴史はまだまだ浅い。これから枠組みを作っていく段階である。しかし、2010年代から、BRICSを中心とする西側以外の国々(the Rest、ザ・レスト)の経済成長や台頭が続き、世界の構造は大きく変わっている。G7よりもG20の枠組みが重要性を増しているのもその証拠である。
BRICSは軍事同盟や集団安全保障の枠組みではない。それぞれの国家体制も違う。宗教や価値観も異なる。それでも協力できるところから協力し、問題が起きれば話し合いで解決を目指すという、ASEAN(東南アジア諸国連合)スタイルの枠組みである。一種の緩さこそが枠組みの柔軟性と多様性を担保している。これが、アメリカ主導、西側主導になれば、「非民主的な国家は入れない」「近代的、啓蒙主義的価値観を共有しない国家は入れない」という「排除の論理」が先に立つ。西側諸国では「多様性(diversity)」「平等(equity)」「包摂性(inclusiveness)」という「DEI」が尊重されるが、国際関係においてそれらは全く尊重されない。本音と建前の使い分け、西洋支配の継続性のみが重視される。
建前だけの排除の論理がまかり通る国際秩序はこれから大きく変化していくだろう。西洋支配は終焉に進んでいくだろう。そうした中で柔軟性のある、包摂性の高い国際的な枠組みがこれから拡大していくだろう。BRICSはその中心となっていく。


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