中国本土のECアプリについて
セキュリティー業者オーバーセキュアードの創業者であるセルゲイ・トシン氏は、「ユーザーが多い主要なアプリで発見された最も危険な不正コードである。非常に広範囲な個人情報の奪取であり、これほどのレベルの侵害は前例がない。」と話していると報道しています。ピンドゥオドゥオはユーザーの携帯電話使用内訳を照会した上で、ライバルを牽制し、販促を行う為に不正なコードを組み込んだと見られています。ユーザー情報に基づき、オーダーメード型広告を行ったとも見られています。ピンドゥオドゥオが入手した個人情報が中国本土政府に渡ったという証拠はまだありません。しかし、中国本土当局はITサービス業者のデータにいつでもアクセス出来、ピンドゥオドゥオの情報も当局が必要とすれば、いくらでも利用者の監視に活用できることになります。グーグルは、具体的な理由を明らかにしないまま、不正なコードが発見されたとして、ピンドゥオドゥオの提供を自社アプリマーケットであるグーグルプレイで中止しています。
CNNは、「ピンドゥオドゥオは自社アプリに対する疑惑が広がると、緊急アップデートを実施し、不正コードの削除を試みた。」とも報じています。そして、ピンドゥオドゥオの不正コード問題は、中国本土で開発したアプリ全体に対する不信感にまで拡大しています。特にピンドゥオドゥオの姉妹企業である「テム」の海外市場向け越境ECアプリが米国でダウンロード量トップとなる人気を集めていますが、このアプリを回避する動きも本格化する可能性が高いと見られています。CNNは、「今回の騒動にテムが直接関与したわけではないが、テムの世界展開には悪材料になるだろう。」と指摘しています。
現在、欧米は中国本土の「TikTok」に対する規制に乗り出しており、TikTokが顧客の情報を中国本土政府に提供しているとの理由からであります。米国下院の聴聞会では、
「TikTokは中国共産党の武器である。」として、周受資CEOを追及しています。米国のブリンケン国務長官もTikTokを「安全保障上の脅威」と呼び、「如何なる方法であれ禁止しなければならない。」と指摘しています。テクノロジー業界は米国政界がTikTok規制の矛先をピンドゥオドゥオとテム、その他の中国本土系アプリに向ける可能性が高いと見ています。最近、米国内の中国本土系アプリは若年層を中心に大きな人気を集めており、市場調査業者センサータワーによると、3月末時点で米国・アップルのアップストアに於けるダウンロード順位の1~4位が中国本土系アプリとなっています。米中の情報覇権争いは更に続き、そして拡大していくと見ておきたいと思います。


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